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やろうとしてはいけません。孤独な育児によるさまざまな弊害が指摘されています。2015~2016年に国内で妊娠中から産後1年未満に死亡した女性357人のうち102人が自殺でした。児の虐待リスクも高く、産後のサポート不足は命にかかわる問題です。一人でやろうとせず家族・公的・民間さまざまな支援の活用を。サポートを得られる人はためらわずに、そうでない人はどんどん保健師さんに相談して地域の資源を有効に使いましょう。
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〈参考文献〉
海外では家事育児や教育に関わる専門家がケアを提供しています。中国や東南アジアではプロが母親に代わって育児をするなど、産後ケアの国家資格がある国もあります。海外では仕事以外でもシッターを頼むことが日常で、国からの補助も手厚くなっています。日本ではこうしたサービスはまだ少数ですが、無理なく子育てをしていくためには、退院してからもこのようなケアが必要です。ケアを受けるのは自然なこと。親も初めてのことばかりです。いろいろなサポートを積極的に利用しましょう。
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〈参考文献〉
医学用語ではありませんが、産後に夫婦の愛情が急速に冷え込む「産後クライシス」という言葉があります。離婚した夫婦の約3割が、子どもができて幸せなはずの2歳以下の時期に別れている実態があります。産後クライシスの大きな原因は女性の生活が劇的に変わることに男性が気づかないことだと言われています。育児は想像以上に大変です。体験してもらうことで伝わることもあります。自分だけで抱え込まずに、その大変さを共有しましょう。
〈参考文献〉
いいえ、母性は女性だけのものではありません。「母性は女性の本能であり3歳までは母親が育児をするべき」という「3歳児神話」は否定されています。男女間の子どもへの感情や養育行動の差が、子育てにかかわる程度の差で説明できることがわかってきました。お手伝いではなく、当事者として子育てをすると、母性や父性に関わる脳の部位が活性化すると言われています。パパもママも初心者なのは同じです。一緒に成長していきましょう。
〈参考文献〉
本能だけで子育てはできません。親性(しんせい)は社会のなかで子育て経験を通じ獲得されます。親性とは、母性(いわゆる子どもを慈しむ心に表されるもの)父性(いわゆる社会的なルールを毅然と教える心に表されるもの)といった性別にとらわれないものを包含する概念です。こうした親としての自覚や行動は、子育てをする中で培われるもの。人は育児を通して、親になっていくのです。
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〈参考文献〉
出産後に気持ちが落ち込んだり物事に興味や喜びが感じられなくなる精神障害のことです。産後の内分泌や生理機能の激変と環境変化や育児疲労が原因と言われています。ホルモンの影響でおよそ半数のママに起こる出産後の気持ちの落ち込みはマタニティーブルーズと言われ産後2週間ほどでなくなります。しかし、中にはそのまま悪化してしまうことがあり、約1割のママが産後うつになっています。
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〈参考文献〉
なります。産後うつは社会的要因、経済的要因によってもおこるので、男性が育児をする場合も育児中の社会からの孤立やパートナーとの関係がうまくいかなかったりするような、それらの環境が整っていなければうつになるリスクは高まることは当然ともいえます。欧米では2005年ころから著名な科学雑誌に父親の産後うつについての研究が掲載されるなど、父親の産後うつについて社会に警鐘を鳴らしました。
〈参考文献〉
ここでは子育てが辛く感じる原因と対策のポイントについて参考になる外部の記事をご紹介します。
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よくあるトラブルは乳頭にキレツや水ぶくれ、血マメができることです。また、乳腺炎になるママも珍しくありません。赤ちゃんの吸う力は想像以上に強いです。おっぱいの先だけ吸うと圧力がかかりすぎ、このようなトラブルがおきてしまうのです。1回の授乳でなることもあるので、乳輪をできるだけ含み、圧力を分散させるようにしましょう。
乳腺炎は母乳を飲み切れなかったり、乳頭から細菌が入るなどが原因で起こります。
〈参考文献〉
ちょっとしたコツがあります。赤ちゃんとママのお腹を寄せ合い、赤ちゃんのお口が大きく開いた時に、できるだけ多く乳輪を含ませましょう。赤ちゃんが乳首の先だけ吸わないようにするのがポイントです。ただ、首の座っていない赤ちゃんを抱っこするのも不安なママが、お腹を寄せ合うのも大変です。是非、産院の助産師さんや看護師さんにチェックしてもらいましょう。
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〈参考文献〉
違います。赤ちゃんが泣く前に与えることがストレスのない授乳のコツ。そのためには、赤ちゃんからのサインをキャッチすることが大切です。
赤ちゃんは泣くと舌を上にあげてしまい、乳輪を多く含んで飲むことが困難に。そうすると、乳首の先だけ吸われてママの負担にもなります。また、ママは焦って心も疲れてしまいます。赤ちゃんがはっきりと目覚め、動きが活発になったり、むずがったり、口を開けたり、おっぱいを探す素振りをしたら、ママはおっぱいの準備をし始めて、落ち着いて授乳しましょう。ミルクの赤ちゃんも同じタイミングです。
〈参考文献〉
大丈夫です。母乳には、飲ませ始めに出る脂肪分の少ない「前乳」と、終わりごろに出てきて成長や発達に必要な脂肪分が多い「後乳」があります。短時間でおっぱいを変えるよう説明されることがありますが、そうすると前乳ばかり飲んでしまい、赤ちゃんは満足感が得られなかったり体重が増えなかったりすることがあります。両方から飲んでもらうのがベストですが、片方で終わった場合、次の授乳は反対からしましょう。また、授乳毎に最初に与えるおっぱいを変えましょう。
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〈参考文献〉
夜間の平均授乳回数は、産後1ヶ月で3.5±2.2回、産後半年で2.6±1.7回です。個人差が大きいですが、夜間の授乳はしばらく続きます。そのため、母乳であれば添い乳をしたり、ミルクであれば準備や後片付けを工夫し、夜間の授乳を乗り切りましょう。また、日中にママが休息をとれるよう、できるだけ家事をサポートしてもらいましょう。
〈参考文献〉
・ミルクを溶かすお湯は70度以上
・作ってから2時間たったミルクは飲まなくても捨てる
粉ミルクは無菌ではありません。特にエンテロバクター・サカザキ菌という菌が、製造段階でも開封後でも入りやすいとわかっています。そのため、70度以上のお湯で溶かす必要があります。ただし、飲ませるときは人肌に冷まして。また、作ってから2時間以上たったミルクは捨てましょう。菌は計量スプーンにも付くことがあるので、使う物は清潔にしましょう。
〈参考文献〉
大丈夫です。2018年8月、乳児用液体ミルクの製造・販売が可能になりました。液体ミルクは高温滅菌済みのため常温で保存可能、調乳の手間が入りません。保育者の体調が悪い時、夜間や共働きで時間が限られている時に簡単に授乳ができます。災害時の備えとしても活用できます。ピンチの時に上手に利用したいですね。
〈参考文献〉
Curriculum
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出産前に育児について
学びましょう!
こんにちは。
e両親学級 子育て教習所です。
私達の調査で産前産後のイメージギャップが育児不安に関係することがわかってきました。
そこで、少しでも大変さを理解し、ギャップを埋めるためのカリキュラムを作成しました。
京都大学の専門家の方々がエビデンスに基づいた最新の情報をお届けします。
是非パートナーと一緒に学び、楽しいチーム育児ライフを送りましょう!
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子育てという人生最大のプロジェクトが始まります。
赤ちゃんもママもパパも新人。慣れないことばかりで戸惑うことも多いと思います。でも、どんなヒーローも一人では戦っていません。
自分ひとりじゃない。家族のメンバーはもちろん、私たちもここにいます。
負担を分かち合い、遠慮なく助けてとサインを出せる関係を作る手助けができたら嬉しいです。