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1980年代「うつぶせ寝」は頭の形が良くなる、寝つきが良い、という理由ですすめられていましたが、現在は「あおむけ寝」が推奨されています。赤ちゃんの突然の予期せぬ死は睡眠中に起こることが多く、乳幼児突然症候群(SIDS)、睡眠中の偶発的な窒息などが挙げられています。睡眠中の赤ちゃんの死亡リスクを減らすために厚生労働省は「医学上必要な時以外は、1歳になるまではあおむけに寝かせましょう」と、啓発しています。
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〈参考文献〉
必要ではありません。1998年、母子健康手帳から「日光浴」が削除されました。日光を浴びることで「くる病(乳児の骨がもろくなる病気)」の予防になりますが、近年は有害紫外線の影響により、戸外の空気にふれさせる「外気浴」を勧めています。日差しの強い昼間の時間帯を避けて、少しずつ外気に慣れさせて適度に日光を浴びるようにすると良いでしょう。
〈参考文献〉
赤ちゃんが抱っこされて安心を実感できる機会が増えると、精神的な発達を促す*と言われています。抱き癖などは気にせず、積極的に抱いてあげましょう。
ただし、近年の研究では赤ちゃんが泣いた時、多少は放っておいても発達に影響しないということもわかっています。「発達に影響するから、泣いたらすぐに抱っこしなければ!」と過度に心配する必要もないでしょう。
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参考
Parental use of ‘cry it out’ in infants: no adverse effects on attachment and behavioural development at 18 months
〈参考文献〉
乳児脂漏性皮膚炎は、生後2週間から2ヶ月の間に赤ちゃんの約1/3が発症する疾患です。 皮脂を分泌する機能が高まるために、頭やほっぺた、耳の後ろに油っぽい鱗のようなものが厚く付着します。症状によって対処法は異なりますが、生後3ヶ月頃になると自然に治るケースが多いです。ただ、個人差もありますので心配な時は小児科を受診しましょう。
〈参考文献〉
かつては、大人が噛み砕いたものを赤ちゃんにあげていたことがありました。
しかし、近年の研究では、大人の虫歯菌(ミュータンス菌)やピロリ菌が、早期に赤ちゃんにうつることがわかっています。そのため、大人が使ったお箸やスプーンなどで赤ちゃんに食べ物を与えるのはやめましょう。食事に限らず、大人の唾液が赤ちゃんの口に入ってしまうようなことは避けることが大切です。
〈参考文献〉
本当です。哺乳びんで果汁、スポーツ飲料など糖分を含む飲み物を与え続けると、虫歯のリスクが高くなります。これは「哺乳びんう歯(ボトルカリエス)」と言われ、口の中が甘い飲み物に、頻繁にそして長時間触れることによって発生します。哺乳びんで甘い飲料を飲むことに慣れさせないようにしましょう。1歳半頃には哺乳びんを卒業できるといいですね。
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〈参考文献〉
おしゃぶりは、育児中の便利なお助けグッズですが、使う時に注意したい2つのポイントがあります。
1つ目は、母乳希望であれば、母乳育児が確立してから使うこと。おっぱい以外のものをくわえると、赤ちゃんが混乱してしまうためです。
2つ目は、2歳を過ぎる頃を目処に、おしゃぶりを卒業すること。長期間使い続けると歯並びが悪くなったり、あごが変形する可能性があるためです。おしゃぶりをやめるときは、しばらく泣かれることもありますが徐々に慣れていくでしょう。
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〈参考文献〉
1986年に蜂蜜による乳児ボツリヌス症が報告されたためです。その翌年、1歳未満の赤ちゃんへ蜂蜜を与えないようにと厚生省*から通知されました。1歳未満の赤ちゃんは、腸内環境が整っておらず、蜂蜜に含まれるボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すため、便秘、ほ乳力の低下、活力の低下といった中毒症状が生じることがあります。熱に強い菌なので加熱したものでも与えてはいけません。
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〈参考文献〉
特に必要ありません。以前は沐浴後にお白湯(一度沸騰させてから冷ませたお湯のこと)を赤ちゃんに与える習慣がありました。しかし、近年では母乳やミルクで水分の補給は十分なので、特にお白湯を与える必要はないとされています。これは、お白湯を与えることで母乳やミルクを飲む量が減り、体重減少を招くこともあるからです。
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参考
WHO: Why can’t we give water to a breastfeeding baby before the 6 months, even when it is hot?
*WHOでは6ヶ月までは母乳とミルク以外の水分は不要としています
〈参考文献〉
必要ありません。以前は赤ちゃんが2〜3ヶ月になると果汁を与えていました。しかし6ヶ月未満の赤ちゃんは母乳やミルクで十分に栄養がとれます。そして過剰な果汁摂取による栄養障害の可能性も指摘されました*。2008年4月に、母子健康手帳には離乳の開始前に「薄めた果汁やスープを与える」という項目が削除されました。
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参考
American Academy of Pediatrics
AAP Recommends No Fruit Juice for Children Under 1 Year
*WHOでは6ヶ月までは母乳とミルク以外の水分は不要としています
〈参考文献〉
沐浴後の濡れた耳を拭くぐらいで、必要ありません。
耳垢は、外耳道に細菌やカビが繁殖しないように、また、外耳道の皮膚を保護するのに役立ちます。しかも自然に排せつされるので、少しであれば無理に取る必要はありません。
その一方で、綿棒を使ってゴシゴシすると炎症を起こし、結果的に耳垢をたくさん作ることも。また、綿棒で耳垢を押し込んでしまうことも。耳垢が気になる時は、耳鼻咽喉科に行って取ってもらいましょう。
〈参考文献〉
手袋は必ずしも必要ではありません。赤ちゃんの手が冷たい、爪で顔を引っ掻くということで手袋を使いたくはなりますが、手からの刺激は重要です。
健康の赤ちゃんでも、手が冷たくなることは普通です。また、爪で顔を引っ掻くのが気になる時は、まず爪のお手入れをしましょう。それでも顔の引っ掻きが続くなら、赤ちゃんが寝ている時だけ使いましょう。手袋の糸が指や爪に巻きつかないよう、縫い目があたらないようにしましょう。
夜間の平均授乳回数は、産後1ヶ月で3.5±2.2回、産後半年で2.6±1.7回です。個人差が大きいですが、夜間の授乳はしばらく続きます。そのため、母乳であれば添い乳をしたり、ミルクであれば準備や後片付けを工夫し、夜間の授乳を乗り切りましょう。また、日中にママが休息をとれるよう、できるだけ家事をサポートしてもらいましょう。
〈参考文献〉
・ミルクを溶かすお湯は70度以上
・作ってから2時間たったミルクは飲まなくても捨てる
粉ミルクは無菌ではありません。特にエンテロバクター・サカザキ菌という菌が、製造段階でも開封後でも入りやすいとわかっています。そのため、70度以上のお湯で溶かす必要があります。ただし、飲ませるときは人肌に冷まして。また、作ってから2時間以上たったミルクは捨てましょう。菌は計量スプーンにも付くことがあるので、使う物は清潔にしましょう。
〈参考文献〉
大丈夫です。2018年8月、乳児用液体ミルクの製造・販売が可能になりました。液体ミルクは高温滅菌済みのため常温で保存可能、調乳の手間が入りません。保育者の体調が悪い時、夜間や共働きで時間が限られている時に簡単に授乳ができます。災害時の備えとしても活用できます。ピンチの時に上手に利用したいですね。
〈参考文献〉
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出産前に育児について
学びましょう!
こんにちは。
e両親学級 子育て教習所です。
私達の調査で産前産後のイメージギャップが育児不安に関係することがわかってきました。
そこで、少しでも大変さを理解し、ギャップを埋めるためのカリキュラムを作成しました。
京都大学の専門家の方々がエビデンスに基づいた最新の情報をお届けします。
是非パートナーと一緒に学び、楽しいチーム育児ライフを送りましょう!
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育児方法は時代によって変わります。はっきりとわからなかったことが研究を重ねた結果、次第にわかってきたことが世の中にはあるのです。
ここでは祖父母世代と現代の育児方法で異なる項目を集めてみました。どのような理由で変わったかを周囲の方と一緒に知ることで、いい関係を築きながら子育てをしていけるといいですね。