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家族になる
出産、授乳をすると「オキシトシン」というホルモンがたくさん分泌されます。
オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、その分泌によって愛情や信頼を深めることがわかっています。オキシトシンと育児には面白い相互作用があります。血中オキシトシンの濃度が高いと育児に積極的にかかわろうとし、積極的に乳幼児と触れ合うことがオキシトシン分泌を促すことがわかっています。つまり、親性と呼ばれる子どもを慈しむ心は、育児をすることで備わっていくのです。
オキシトシンは父親も分泌していて、その濃度が育児の積極性に関係しているという研究結果もあります。ですから、子どもを慈しむ心は性別に限定されるものではないのです。
これまで、子育ての向き・不向きは、性別の差によるものとされていましたが、実は養育経験や子どもと関わる程度の差で説明できることがだんだんわかってきました。ある調査では、約8割の母親が「子どもをかわいいと思えないことがある」と答えています。
育児をしていると、子どもがかわいいと思える時間があれば、そうでない時間もあります。それが自然です。それも含めて共に生活していく中で、親子になっていくのです。そして、長い時間一緒に過ごしていくうちに、心から「ああ、本当にかわいいな」と思う気持ちが育まれていくのだと思います。
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Curriculum
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出産前に育児について
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母性や父性と言われる「子どもを慈しみ、愛しく思う心」は、生まれつき備わっているのでしょうか。少し考えてみましょう。
たとえば、あなたは新幹線の中にいて、どこかで赤ちゃんがずっと泣いています。いつまでたっても泣き止みません。車内はだんだん気まずい空気に…。しびれを切らして、車掌さんに「何とかできないのか」という人もいるかもしれません。
もし、すべての人に親性が生まれつき備わっているなら、車内はあやす大人だらけになるでしょう。しかし、実際は赤ちゃんの泣き声をうるさく感じる人もいます。
いや、赤ちゃんが生まれたら自然と母親はホルモンで母性が備わるのだと思うかもしれません。ですが、赤ちゃんが生まれた瞬間に母性が発動する、そんな魔法のようなものは存在しません。