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授乳
ミルクは必ず3〜4時間ごとかというと、そうではありません。この間隔が長い赤ちゃんもいれば、短い赤ちゃんもいるのです。生まれたての赤ちゃんの胃の容量は数mlほど。その後、日を追うごとに急激に大きくなります。胃の容量の変化に加え、体調などによっても飲む量が変わります。たとえば、少量のミルクを頻繁に飲む赤ちゃんがいます。大人でもしっかり食べなければおなかがすくように、赤ちゃんも物足りない場合は次の授乳時間が早まることもあります。一方、うんちがでなくておなかが張っているときは、普段より飲む量が少なかったりするでしょう。このように、赤ちゃんの状況を見ながら授乳の間隔やミルクの量を調整していきましょう。
母乳の赤ちゃんは「赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ」あげますが、ミルクでは少し勝手が異なります。生まれてすぐの赤ちゃんは満腹感を得にくく、そのうえ、哺乳瓶はおっぱいに比べて飲みやすいため、好きなだけ与えてしまうと飲みすぎてしまうという可能性も。
ミルクで授乳する場合は、1日に飲んでいるミルクの量や母子健康手帳にある成長曲線の傾きに沿って赤ちゃんが成長しているかどうかも目安にしてみましょう。平均体重だったとしても、成長曲線の傾きよりもかなり急に増加している場合は、「飲み過ぎ」、反対に曲線に沿って増加していないのであれば、ミルクの量が少ない可能性があります。1週間ごとなどに区切って、傾向をチェックしていくと変化がわかりやすいですよ。
母乳育児やミルク育児、どんな授乳方法であっても不安はつきものです。さらに、ミルクも母乳もあげる「混合授乳」の場合、結局どれくらい飲んでいるのかわからなかったり、母乳とミルクの最適なバランスがわからなかったりと悩むママも少なくありません。助産師さんや看護師さんにどんどん相談しましょう。
入院中はまだしも、退院後は、すぐに相談できないこともあるのでママの不安は大きくなります。こうした傾向をふまえ、退院後1週間ぐらいで赤ちゃんの体重チェックや授乳の状態を確認する病院が増えてきています。また、母子健康手帳と一緒に渡される「新生児訪問ハガキ」を出すと、お住まいの市町村から自宅などに保健師さんや助産師さんが来てくれます。この機会を使って日頃不安に思っていることを質問するものよいでしょう。
「ミルクが楽? 母乳が楽?」と質問されることがありますが、ケースバイケースです。赤ちゃんの状態、ママやご家族のライフスタイル、育児に対する考え方によって違います。ミルク育児であっても母乳育児であっても、赤ちゃんのお世話はたくさんあることに変わりありません。みなさんにとってのベストな形を見つけ、楽しく育児ができるようにすることが大切です。応援しています。
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出産前に育児について
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母乳育児の場合、1日8〜12回以上の授乳がよいとされています。一方、ミルクはどうでしょうか?日本製粉ミルクのパッケージを見ると、1ヶ月健診までであれば、1日あたり7回と書かれています。ちなみに、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)によると、「ミルクだけの場合、生後1日目から生後5ヶ月までは3~4時間ごと、つまり1日6~8回」とされています。ミルクは母乳と比べると消化が遅く、胃に残りやすい傾向があります。といっても、赤ちゃんは千差万別。ミルクであっても、赤ちゃんに最適な授乳回数を見極めることが大切です。