05
沐浴
季節にもよりますが、沐浴に使うお湯の温度は38〜40度くらいが目安とされています。
他国と比較すると、日本は温度設定が高い国の1つと言えます。日本の沐浴の歴史をさかのぼると、「寒い季節はお風呂を入れる部屋が寒い」という理由で、高めの温度に設定された事情があるようです。海外の例2,3)を参照すると、暖かい部屋での沐浴であれば、37度程度のぬるま湯でも特に問題はないでしょう。
お湯の温度を確認するのに温度計を利用すると思いますが、製品によって約2度の誤差があることが報告されています1)。温度計だけに頼らず、自分の手やひじなどでも直接確認しましょう。また、浴槽の上部と下部でお湯の温度が異なる場合もあるため注意が必要です。蛇口のそばで沐浴する場合は、蛇口内部の高温のお湯が残っていないか必ず確認しましょう。蛇口内部に残った高温のお湯が、赤ちゃんにこぼれ落ちると熱傷のリスクがあります。
沐浴のタイミングは、赤ちゃんが空腹もしくは満腹の時間帯は避けたほうがよいでしょう。空腹時は泣いて機嫌が悪かったり、満腹時は吐いてしまう赤ちゃんも。このような赤ちゃんのコンディションに注意は必要ですが、時間帯はいつでもよいでしょう。育児が始まってまもない時期に、毎回の沐浴の時間帯を決めることはなかなか難しいもの。「いつも同じ時間帯に沐浴をすることで、生活のリズムが整いやすくなる」という意見もありますが、生後1〜2ヶ月であればこの根拠はやや曖昧です。各国で提唱される説を見ても、新生児期から沐浴の時間帯を決めたほうが良いとする国は少ないようです。育児に慣れない時期やルーチンの時間帯を決めることが難しい時は、沐浴をする方にとって都合の良い時間帯やサポートを受けやすい時間に調整してみてもよいでしょう。その後、生後2〜3ヶ月頃から少しずつ生活のルーチンとして、沐浴を決まったスケジュールの中に取り入れていくとよいでしょう。
事故なく安全に沐浴を行うために、お風呂を入れる場所、誰が入れるのかなどは妊娠中に家族と相談して考えておくことをおすすめします。沐浴に慣れるまでの間は不安もあるかもしれませんが、できるだけみんなで協力して赤ちゃんとの楽しいお風呂の時間を過ごせるといいですね。
参考文献
Curriculum
Member
出産前に育児について
学びましょう!
こんにちは。
e両親学級 子育て教習所です。
私達の調査で産前産後のイメージギャップが育児不安に関係することがわかってきました。
そこで、少しでも大変さを理解し、ギャップを埋めるためのカリキュラムを作成しました。
京都大学の専門家の方々がエビデンスに基づいた最新の情報をお届けします。
是非パートナーと一緒に学び、楽しいチーム育児ライフを送りましょう!
© Basic Inc. All Rights Reserved.
東京都が1000人の保護者へ沐浴場所について調査したところ、「浴室の洗い場」と答えた人が5割、次に多かったのが「台所などのシンク」「室内の床やテーブルの上」でした。この調査で「浴槽にかぶせたふたの上」で沐浴を行っていたケースでは、ベビーバスの重みでふたが落下する事故が報告されています。浴槽のふたの上での沐浴は決して行わないようにしましょう。これ以外で、沐浴の際に注意したい点は下記のとおりです。
・寒い時期は、沐浴する場所は暖めるようにしましょう。
・テーブルなど高さのある場所で沐浴を行う場合は、不安定な土台ではないか、床が濡れて滑りやすくないか、などの転倒や落下の危険がないか確認しましょう。
・シンクを使う場合は、蛇口などの突起物に赤ちゃんがぶつからないよう注意しましょう。
・沐浴中の事故の多くは大人が赤ちゃんから目と手を離した時に起こっています。どうしても離れる必要がある時は、赤ちゃんも一緒に連れていきましょう