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沐浴
皮脂の分泌や汗の量は赤ちゃんによってさまざまですが、生後1ヶ月未満であればそれほど肌の汚れがなく、数日おきのお風呂でも十分な赤ちゃんもいます。特に寒く乾燥した季節でからだの汚れが特に気にならない日は、沐浴のかわりに口回りや首など汚れがたまりやすいところを濡れた布で拭き取るだけで十分な場合も。
「毎日洗うことで肌を清潔に保つ」という意見もありますが、近年の研究では「洗い過ぎて肌バリアに必要な保湿成分まで落としてしまう」という指摘が注目されています。アメリカやオーストラリア、イギリスの小児科医師らは毎日のお風呂は必ずしも必要ではないこと、新生児のころに石鹸など洗浄剤の使い過ぎはかえって肌を痛める可能性があることを呼びかけています。
赤ちゃんの保湿剤に関するトレンドはこの数年で大きく変化しており「保湿剤は使った方がよい」「使わない方がよい」など、さまざまな専門家の意見があります。近年、保湿剤の長期的な影響を検証した研究が進み「赤ちゃんに保湿剤は使わないほうが良いかもしれない」ということが示されています。(いくつかの研究では、両親がベビーソープを使わず、お湯で流すだけの沐浴を行っていたものが含まれています。つまり、赤ちゃんの肌を洗いすぎないほうがよいことは留意すべき点といえます)
今のところ、日本では赤ちゃんを「毎日しっかり洗って、しっかり保湿」が支持されているようですが、一方で、新生時のころに「洗い過ぎないこと、保湿剤の使用は乾燥肌の状況に合わせて」というアドバイスもあります。赤ちゃんのスキンケア研究は、この数年でかなり進んできました。これに伴って、「赤ちゃんのお風呂の常識」は時代によって大きく変わります。考え方はさまざまですが、もし赤ちゃんの毎日の沐浴がプレッシャーに感じるのであれば「赤ちゃんお風呂は時々スキップしても構わない」という考え方があることも知っておくとよいかもしれません。
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赤ちゃんのからだは何で洗えばいいのでしょうか? また、どんなスキンケアが必要かなど初めての育児ではわからないことも多く、お風呂に必要な物をそろえるだけでも一苦労かもしれません。最近では、ベビーソープや保湿剤はたくさんの種類があり、何を基準に選んだらよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。
じつは、最近の赤ちゃんのスキンケアに関する研究をみると「生後1ヶ月まではお湯で体を優しく洗うだけで大丈夫」という報告があります。これまでに数多くの赤ちゃんのスキンケア研究が行われた結果、生後1ヶ月未満の赤ちゃんの肌は「洗いすぎによるスキンダメージ」「保湿剤使用による肌トラブル」が報告されています。とはいえ、乾燥肌や皮脂の分泌が活発な場合など、赤ちゃん個々の状況に合わせた対応は必要です。特に肌のバリア機能が未熟な生後1ヶ月ごろまでは、「毎日のお風呂をかかさず」というわけではありません。洗浄剤を使わずにお湯で洗い流してあげたり、お風呂を1日スキップしたり、首や手など汚れた部分だけを拭き取ってあげるのも大切なスキンケアの一つと言えます。