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児の年齢別コリックの発生割合
(Systematic Review and Meta-Analysis: Fussing and Crying Durations and Prevalence of Colic in Infantsを元に作成)
コリックが原因の泣き方には、下記のような特徴があります2)。
・赤ちゃんがなかなか落ち着かない
・こぶしを握って泣いている
・顔が赤くなっている
・手足をバタバタさせて泣いている
・背中をそらしている
・おなかが鳴っている、または胃が膨張していてガスが溜まっている
残念ながら、コリックの原因はまだ明らかになっていません。多くの場合、子どもが刺激に敏感であるか、自己鎮静(自分を落ち着かせる)能力が未熟であるためだと言われています。また、授乳中の赤ちゃんの場合は、母親の食事に赤ちゃんが過敏に反応している可能性が考えられます。
コリックへの対処法として何が効果的かということははっきりとわかっていません3)。下記は、米国小児科学会などが提唱している代表的な対処法です4)。
・最初に小児科医に相談し、赤ちゃんの泣きが治療を必要とする深刻な病気と関連していないことを確認してください。
・母乳で育てている場合は、母親の食事から乳製品、カフェイン、タマネギ、他の潜在的に刺激性のある食品を避けましょう。
・粉ミルクの場合は、アレルギー用ミルク(加水分解乳)について小児科医に相談してください。食物過敏症が不快感を引き起こしている場合、数日以内に泣きが減少するでしょう。
・ミルクの場合は、授乳し過ぎにも注意が必要です。かえって赤ちゃんを不快にさせている可能性があります。
・抱っこ紐を使って、赤ちゃんと歩き回ってみましょう。動きと接触によって赤ちゃんは安心します。
・赤ちゃんをゆっくり揺らしたり、落ち着く音(ホワイトノイズ:掃除機、衣服乾燥機、扇風機などの音)を聞かせてみましょう。安定したリズミカルな動きと心を落ち着かせる音は、赤ちゃんが眠る助けになるかもしれません。
・おしゃぶりを試してみましょう。使いたがらない赤ちゃんが一部いますが、多くの赤ちゃんがおしゃぶりで心が落ち着きます。
・膝の上に赤ちゃんを腹這いしてのせ、背中を優しくなでましょう。
・大きく柔らかい毛布で赤ちゃんをやさしく包んであげましょう。
次のような場合は、小児科医に必ず相談してください。
・赤ちゃんが生後4ヶ月以上にもかかわらず、コリックの症状がある場合
・赤ちゃんの泣き声が普段とは違う時
コリックへの対処法をいろいろと挙げましたが、どんなに頑張っても赤ちゃんが泣き止まないことがあります。それが原因でイライラしたり、不安を感じたりする時は、可能であれば赤ちゃんを家族や友人に一旦預けて赤ちゃんと少し離れてみましょう。そうすることで、また前向きな気持ちで子育てに戻れるかもしれません。どんなにいい親であってもこのような感情は起こります。自分を責めずに、まずはママが安心できる環境を確保しましょう。
「授乳でなかなか眠れない」、「どうしても泣き止んでくれない」など、大変な時期があるかもしれません。しかし、赤ちゃんの成長に伴い、その時期は必ず終わります。このことを、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。
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育児中、赤ちゃんが「何をしても泣き止まない」、「ずっと泣いている」と困ってしまうというママは少なくありません。もしかすると、それは「コリック(黄昏泣き)」かもしれません。
コリックは、明らかな理由がないまま、赤ちゃんが泣くこと。厳密には、1日3時間以上続き、週3日以上発生するものをコリックと定義しています。通常は、害のないものと考えられています。
時間帯を問わずいつでも起こりますが、日本では「黄昏泣き」「夕暮れ泣き」とも呼ぶように、特に夕方から夜中にかけて起きやすいとされています。およそ4、5人に1人の赤ちゃんがコリックを経験し、生後8〜9週には落ち着くことが示されています1)。