2023-07-18
国立大学法人岡山大学 岡山大学病院 さま
外来クラーク K.S さま(写真左) 外来クラーク M.H さま(写真中央) 企画・広報課(国際診療支援センター) H.S さま(写真右)
※部署・役職等は取材当時のものです。
▪︎導入目的
グローバル化に対応する医療体制を構築・強化していくため。
▪︎課題
外国人の患者さんが来院された際、正確かつスムーズな意思疎通を図ることが難しかった。
▪︎効果
語学力に関係なく多くのスタッフが外国人の患者さんに対応できるように。
グローバル化時代に向けて外国人患者さんの受け入れを強化。
ー外国人の患者さんの受け入れ体制について教えてください。
H.S(以下、Hさん):
当院では、2015年度にグローバル化に対応した医療体制の実現に向けた答申を取りまとめました。それを機に外国人患者受入れ医療機関認証制度「JMIP」の認証取得などの取り組みをスタート。医療通訳サービスを導入したのも、国籍や言語を問わず診療できる国際的な医療機関になるための一環です。
ー外国人の患者さんを受け入れるにあたって、医療通訳サービスを導入する前はどのような課題がありましたか?
Hさん:
特に課題だったのは窓口対応。医療通訳サービスを導入する前は、いくつかの外国語が印字されたボードを使って指さしでコミュニケーションを取ったり、比較的英語に詳しいスタッフを呼んだりして対応していました。
M.H(以下、Mさん):
私は英語科出身だったため外国人の患者さんの対応に呼ばれるケースも多くありました。ただ、学生時代に学んでいたとはいえ流暢に英語を話せるわけではありません。何とか聞き取れても言いたいことを表現するボキャブラリーがなかったり、無料の翻訳アプリを使用して対応しようとしてもニュアンスが異なっていたり。コミュニケーションには苦労していましたね。
「わかっていても伝わらない」
ジレンマを解消。
ー医療通訳サービスをどのようなシーンで使っていますか?
Hさん:
窓口対応を行う事務職や入院時に頻繁に外国人の患者さんとコミュニケーションを取る看護師を中心に使用しています。「どんな診療科をご希望ですか?」「トイレはこちらです」など機械通訳を使ってスムーズに日常会話を行っているそうです。
ー実際に使用した感想を教えてください。
Mさん:
医療専門用語にも対応しているので、こちら側が伝えたいニュアンスをしっかり汲み取って翻訳してくれます。
K.S(以下、Kさん):
英語圏の方とのコミュニケーションで意外とネックになるのが発音。仮に単語はわかっていてもこちら側の発音が悪いため伝わらないことがありました。でも、正しい発音で音声出力される医療通訳サービスを使うことで、スムーズに意思疎通ができるようになったんです。
受付、医師、管理部門……さまざまな部署で手応えを実感。
ーそのほか現場での反響はいかがですか?
Mさん:
医療通訳サービスを導入するまでは外国人の患者さんが来られると「自分には難しいかも……」と不安そうにしていたスタッフも、今では「私が行きます!」と積極的に対応できるようになっています。
Hさん:
たしかに実際に使用後のアンケートでも「自分には馴染みのない言語でも安心して対応できるようになった」といった声も多くあがっていますね。
Kさん:
また、英語を話せる医師は多いのですが、中国語やスペイン語など別の言語は話せない方がほとんど。そのような言語を話される患者さんが来院されたときに医療通訳サービスは重宝すると医師から聞いています。
Hさん:
管理部門としては、やり取りした履歴を確認できるのは安心感があります。もし外国人の患者さんと病院側でお互いの認識に齟齬があっても、遡ってチェックすることでトラブル防止につながりますから。
加速する国際化の流れの中で
医療通訳サービスは欠かせない。
ー今後外国人の患者さんの受け入れ体制について、どのような展望を持っていますか?
Hさん:
3年ごとに更新される「JMIP」。毎回、外国人患者の受け入れ体制について要求されるレベルは上がっています。求められることをクリアしようと取り組む中で病院全体の意識も高まってきました。そうした機運の中で、医療通訳サービスには大きな期待をしています。
Kさん:
アフターコロナの時代に突入し、今後ますます多様な国籍の外国人の方が日本に来られることになるでしょう。そのときに多様な言語に対応できることはとても重要です。希少言語にも高い精度で対応できる医療通訳サービスを私たちは常に求めています。
Hさん:
国籍や言語を問わず、安心・安全な医療サービスを提供できるよう、これからも外国人の患者さんの受け入れ体制の強化に励んでいきたいと思います。
お客様プロフィール
1870年創設。150年以上、社会・地域の持続的な健康増進に貢献し続けてきた歴史ある大学病院。先進的な医療を積極的に取り入れ、国際水準の医療環境を整備しています。
所在地
岡山市北区鹿田町2-5-1
代表者
前田 嘉信 岡山大学病院長
創立
1870年6月
病床数
全853床
診療科目
総合内科・総合診療科、消化器内科、血液・腫瘍内科、呼吸器・アレルギー内科、腎臓・糖尿病・内分泌内科、リウマチ・膠原病内科、循環器内科、脳神経内科、感染症内科、消化管外科、肝・胆・膵外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、泌尿器科、心臓血管外科、小児外科、小児心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、精神科神経科、脳神経外科、麻酔科蘇生科、小児科、小児循環器科、小児神経科、小児血液・腫瘍科、小児麻酔科、小児放射線科、小児心身医療科、産科婦人科、放射線科、救命救急科、病理診断科、緩和支持医療科、臨床遺伝子診療科、歯科、口腔外科、矯正歯科、小児歯科
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